yuutamakiの日記

日々の日記

12月のとある日。最終日の1.

目が覚めたらまだ暗いが6時45分、雨模様の朝。少し寝汗をかいていた。

看護師さんの見回りで熱もなく正常。いよいよ帰る。なんだかぼうっとSNSを見て過ごしてしまう。見ると手の爪が少し伸びている。私の細胞はせっせと私を未来へ押し出してくれている。今日から私は通常の生活圏に溶けていくのだ。最初はしがみついて、きっとそのうち、忘れてしまうのだろう。それが正常。

12月のとある日。4日目の12.

また違う看護師さんがきてくれる。みなさん本当に気遣ってくれる。会社のことや上の方の人のことを知らない方が、どうやって仕事したいから、自分は何をしたいか、に忠実に向き合えるのかもしれない。知ることは窮屈。けど知りたい欲求には抗えない。

その日の夜はここにきて一番、時間の流れが通常に戻った感覚がした。動画を見たり、少し歩いたりストレッチをしたりしてすっと9時半になった。この日も生真面目に就寝。少し寝苦しい気もしたけど、いつの間にか溶けていた。

一度夜中3時くらいに目が覚めたけれど、それ以外はとくにどうということもなく眠れる。

12月のとある日。4日目の11.

夕飯はもうこれでここのご飯も終わりなんだなぁという気持ちでありがたくよく噛む。

味わうということをここ1ヶ月くらいで何度したかなと思いながら、つい早食になりがちなわたしをいさめるみたいにゆっくりと咀嚼。

量も自分が作るとついつい作りすぎたり、味が濃くなりがちだ。ご飯、副菜、主食くらいでほんとうは事足りるんだよなと改めて感じる。夕飯にデザートがないのも。これはそのうち忘れてしまうのだろうけど、この季節、この歳で一度くらいリセットするのも良かったのかもなと思う。

SNSで「冬至前のリセット」という言葉をみつける。今回の私はまさしくそれだ。

12月のとある日。4日目の10.

夫の顔を見て安心したのか、まったくなかったお通じがするっとくる。お腹がすっきりした。

 

ただ今の仕事は期限のあるものを1人で担当していることもあり、何かあった時に心苦しく感じてしまうのが難点と思う。

自分でなければならない仕事ではないけど、他の誰かに必ず皺寄せがいく仕事。正社員でもないから保障もなく、これで要らないと言われても仕方ない。そろそろ働き方、変えなければならないのかもしれない。

12月のとある日。4日目の9.

現れた夫は仕事着のままであり、早退してくれたのは明白で申し訳なかったけれど、明日退院とは言えやはりほっとする。家族、という気持ちが湧く。

後から聞くと会社の規程で家族のお見舞いとして数日間は特別休暇が取得できるのだという。家族って面倒なことも多いけど家族というだけでありがたく受け取れる制度とか守られている意識とか感じる。なりたい人たちにはやっぱり、どんな形であれ家族という目に見える約束は必要だと改めて思う。


2人で入院費の算段をしていたら時間切れ。2人でほぼ同じようなところに落とし所を見つけられて、わたしの最後の懸案事項は溶けていった。

退院が現実味を帯びてきた頃から、少しだけ心配になってきた入院費。胆嚢に石があり、大きさからして今後ひどく痛むようなら手術しかないと知った時から、果たしていくらかかるか、は頭の片隅にいつもあって、実家から独立して以来割と健康で過ごせたことに改めて感謝し、よわよわになる前のこの年齢でこのような体験ができたのは非常に有意義であったと思わざるを得ない。

12月のとある日。4日目の8.

動画を見るのに疲れたので、インスタグラムを開いてフォローしている人を精査し始めた。なんとなくフォローしたり、今はもうクローズしてしまった飲食店、アップされてもいつも流してしまう人など、それでも削除は100件くらい。

 

残ったのはその7倍くらい。

 

まだ消してもいいフォローはある気がするけれどだいぶ整理できたような気もする。フォローを外す時迷わずさくっといける時もあれば、1秒迷って外す、2秒迷って残す、などいろいろ、時々優柔不断。ずっとやりたかったけど時間がかかるし面倒であることをひとつ片付けた実感だけは残った。

 

そんな感じで夕方をやり過ごしていたら、面会時間ギリギリに夫到着。

12月のとある日。4日目の7.

最後のリハビリ。

今後の生活でやった方がいいことなどを聞く。最後なので、ストレッチなんかも聞いた。腰痛がちなことを吐露すると「歩き方を見て、そんな気がしていました」と。

バレていた。理学療法士さんはすごいな。ここのところ骨格ボディメイクをしてかなり自分では理想の体になりつつあるといい気になっていたので、ガーンと思う。確かに、腰痛は治っていなかったよな。現実をちゃんと見よう、わたし。

 

その合間にもぐるぐると病棟を回る。回るたびに病室が埋まっていたり、新しい人が案内されていたりする。病院というところは息をしている。毎日吸ったり吐いたりして入れ替わる。

 

入っている部屋は窓が大きくて開放的なのだが、西陽が強く当たってきて冬なのに午後は暑いくらいの室温になってしまう。雨模様で今日は大丈夫かと思っていたけど、薄雲の合間から西陽がさしてきた。お腹がぐう、となる。